■障害福祉サービス事業におけるNPO法人の役員報酬の注意点
こんにちは。行政書士の浅井です。
本日は、障害福祉サービス事業におけるNPO法人の役員報酬の注意点をお伝えします。
NPO法においては、報酬を受ける役員数は、役員総数の1/3以下であることという定めがあります。役員報酬は役員総数の1/3以下の人にしか支払うことができないのです。
そうすると、2/3以上の役員は、無報酬やボランティアとなってしまうのでしょうか?
結論からするといいえとなります。以下どのように考えればよいか、お伝えします。
1.NPO法における役員報酬の定義
役員であっても、職員としての労働の対価として受ける報酬は、労働者としての給与であって、役員報酬ではないと考えます。
職務を行っていないのに報酬を受ける役員(役員報酬)の数が、役員総数の1/3以下であれば良いことになります。
1つ注意が必要なのは、理事は職員を兼務することが可能ですが、監事は職員を兼務することができません。職員を兼務する理事が報酬を貰った場合、給与としてカウントし、役員報酬としてカウントしなくてよいが、監事が報酬を貰った場合は役員報酬としてカウントする必要があります。
2.法人税法における役員報酬の定義
特定役員(いわゆる役付の代表や副理事、専務、常務、監査役、監事など)は、職員を兼務する事が出来ない事とされています。したがって、特定役員は、毎月定期同額給与でなければならず、途中での給与変更は原則できません。
3.まとめ
(1)監事は職員を兼務することができません。
(2)監事に報酬を支給するのであればNPO法上も法人税法上も役員報酬にしかならないので、定期同額給与でなければいけません。
(3)理事は職員を兼務することができます。
(4)職員を兼務している理事(役員)に、労働の対価として報酬を支給してもNPO法上の役員報酬ではないので、報酬を受ける役員の数として カウントする必要はありません。
(5)職員を兼務している理事(役員)が特定役員で、報酬を支給するのであれば、NPO法上は役員報酬と考える必要はないが、法人税法上の役員報酬なので、毎月定期同額給与でなければなりません。よって年の途中で報酬の変更はできません。
以上となります。
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も一日皆様にとって素晴らしい日となりますように。