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障害福祉サービス事業における処遇改善加算に関する重要ポイントと実務上の留意点について

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■障害福祉サービス事業における処遇改善加算に関する重要ポイントと実務上の留意点について

こんにちは。行政書士浅井事務所の浅井順と申します。
本日は、処遇改善加算に関する重要ポイントと実務上の留意点についてお伝え致します。

令和8年4月9日に厚生労働省より、「福祉・介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」の送付について」が公表されました。
https://www.city.nara.lg.jp/uploaded/attachment/209523.pdf

こちらの資料によると、令和8年度より適用される処遇改善加算に関するQ&Aでは、従来以上に「賃金改善の実態」と「説明責任」が重視される内容となっています。
今回は、実務上特に重要となるポイントを整理いたします。

1.加算額以上の賃金改善は絶対要件
処遇改善加算の根本は、「加算額以上を必ず賃金として還元すること」です。
具体的には、基本給・手当・賞与に加え、
法定福利費の事業主負担増加分も含めて賃金改善額として算定可能とされています。
一方で、研修費や職場環境改善費用などは賃金改善には含められません。
そのため、「何が賃金で、何が対象外か」の整理が非常に重要です。

2.賃金水準の比較方法に注意
賃金改善は単純な増額ではなく、「加算を使った後の賃金」と「加算がなかった場合の賃金」を比較して算出します。
基準となる賃金水準は原則として初めて加算を取得した前年度の水準ですが、新規開設事業所や職員構成が大きく変動した場合は、合理的な推計も認められています。
そのため、特に人員入替(ベテラン退職・新人増)時は要注意です。

3.職員構成の変動は「調整可能」
Q&Aでは、「高給与職員の退職」や「新規採用による賃金低下」といったケースでは、前年度賃金の補正が可能とされています。
実務上は以下が重要です。
・調整根拠の説明資料を残す
・計算過程を明文化する

4.手当の扱い
「毎月支払われる手当」として認められるもの:
職務手当、資格手当、役職手当等
一方で対象外:
通勤手当、扶養手当等
上記の通り、「労働と直接関係するか」が判断基準です。

5.支給タイミングは柔軟だが注意
賃金改善の支給時期は、「当月支給」又は「翌月支給」又は「入金後支給(2か月後)」など柔軟に設定可能です。
ただし、年度で最終的に加算額以上の支給が完了していることが必須
廃止時などは一時金での精算も必要になります。

6.不足時は即返還リスク
実績報告において、賃金改善額 < 加算額となった場合は原則返還対象です。
ただし、賞与で追加支給すれば回避可能ですので、年度末調整の仕組みは必須です。

7.対象職員は大幅に拡大
今回の大きなポイントとして、
福祉職員以外も対象可となりました。
年収460万円以上の職員も対象可とされています。
対象例:
管理者、サービス管理責任者、事務職員、看護職員
そのため、法人内で柔軟配分が可能になっています。

8.配分の偏りはNG
柔軟配分は可能ですが、「一部職員だけに集中」、「実態と合わない配分」は不可とされています。
実務上は「配分ルールの明文化」、「職員への説明」が必須です。

9.労使合意・周知は必須
処遇改善の内容は「全職員へ周知」、「必要に応じて労使合意」が求められます。
特に、「賃金変更」、「不利益変更」が伴う場合は慎重な対応が必要です。

10.賃金引下げは原則不可
経営悪化等の場合でも、「合理的理由」、「労使合意」が必要です。
さらに、特別事情届出書の提出が必要となるケースもあります。

11.キャリアパス・研修要件
加算取得には、「任用要件」、「賃金体系」、「昇給制度」、「研修計画」等のの整備が必要です。
特に重要なのは、昇給基準の明文化(客観的基準)が必要ですのでキャリアパス表や賃金テーブルの明文化を行いましょう。

12.職場環境要件は「継続」でOK
毎年新規取組は不要で、既存取組の継続でも大丈夫です。
ただし、証拠資料の保存(2年間)が求められます。

〇まとめ
今回のQ&Aで明確になったポイントは以下の通りです。
1.加算額以上の賃金改善は絶対条件
2.賃金比較は「加算なし水準」との比較
3.配分は柔軟だが合理性が必須
4.書類・根拠・説明が極めて重要
5.実績報告未達は返還リスク

以上、ご参考になりましたら幸いです。

最後までのお読みいただき、本当にありがとうございました。
今回の内容が少しでも事業所運営に役立ちましたら幸いです。

今日も一日皆様にとって素晴らしい日となりますように。

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