■障害福祉サービス事業における勤務形態一覧表の作成方法について
こんにちは。行政書士浅井事務所の浅井順と申します。
本日は、障害福祉サービス事業における勤務形態一覧表の作成方法についてお伝えしたいと思います。
勤務形態一覧表については、できれば毎月作成頂くことをお勧めします。
(1)勤務形態一覧表を毎月作成することのメリット
多くの指定権者の勤務形態一覧表は、自動計算で常勤換算数を計算してくれるので、必要な人員基準を満たしているかが一目でわかります。月初に予定を作成し、実績が出た後でも入力することで、毎月の人員配置ができていることを予定と実績で確認することができます。
さらに、作成した勤務予定・勤務実績表は、運営指導が入った際に基準を満たしたことの根拠資料にもすることができます。
多くの指定権者で、運営指導の際には、直近3か月(私の場合3か月が多いかと思います)の勤務形態一覧表入力したものを求められ、それを見ながら人員配置ができているかの確認を行います。
(2)勤務形態一覧表の作成方法
今回は、東京都における障害児通所支援事業における勤務形態一覧表を使って、説明をしたいと思います。
https://www.shougaifukushi.metro.tokyo.lg.jp/Lib/LibDspList.php?catid=052-034
申請書類一式(計算式あり)のエクセルシート:当該申請に係る事業に係る従事者の勤務の体制及び勤務形態一覧表(別紙2)をご覧になりながら、以下ご確認ください。
1.職種欄に人員基準の対象となる職種を入力します。
2.勤務形態欄には常勤・非常勤の別、専従か兼務かを記載します。兼務については他の職種との就業時間は按分して記載をします。
3.資格者証の提出有無欄には指定権者に資格者証提出が済んでいるかを入力し、提出が済んでいない方がいる場合には、体制届等の提出のタイミングで資格者証を提出するようにしましょう。
4.基準・加配職員欄には配置基準上で必要な職員については基準と記載をし、基準を満たした上で加配加算の算定する職員については加配と記載をします。
5.加算を取得する(している)場合、選択してくださいの欄には各種加算の欄に資格名や実務経験などを記載します。
以下該当するものを入力します。
◆1 福祉専門職員配置加算の対象者:有資格者(社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理士)、法人内勤続年数3年以上(直接支援)、他の福祉サービスとの常勤兼務
◆2 児童指導員等加配加算の対象者:児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、手話通訳士、手話通訳者、特別支援学校免許取得者、心理担当職員(心理学修了等)、視覚障害児支援担当職員(研修修了等)、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者 ※児童福祉事業(◆4)の経験が5年以上、5年未満で報酬算定が異なる(資格取得前後は問わない)
◆3 専門的支援体制加算の対象者: “児童指導員(※)、保育士(※)、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理担当職員(心理学修了等)又は視覚障害児支援担当職員(研修修了等)(※)資格取得後、5年以上児童福祉事業(◆4)に従事したものに限る”
◆4 児童福祉事業: “障害児通所支援事業(児発、放デイ等)、障害児入所施設、障害児相談支援事業、放課後児童健全育成事業(学童保育等)、保育所(認可、認証等)などの児童福祉法に基づく社会福祉事業または幼稚園、★特別支援学校や★★特別支援学級での教育(ただし、★・★★は専門的支援体制加算の対象外)”
◆5 強度行動障害支援者養成研修修了者: 行動援護従業者養成研修修了者は、強度行動障害支援者養成研修(実践研修)修了者と同等の扱いとします。また、重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援課程修了者は、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者と同等の扱いとします。
6.各営業日に労働者ごとの労働時間を入力し、営業時間とサービス提供時間欄については各日の事業所として定めた営業時間、サービス提供時間を入力します。
7.「1週間に当該事業所・施設における常勤職員の勤務すべき時間」に入力。この時間は事業所として就業規則で定めた時間を入力します。1日8時間、週5日の労働時間の事業所であれば40時間と記載します。仮に1週間の時間が32時間を下回った場合でも、32時間未満の記載はできません。
8.上記までを入力すると4週の合計や週平均の勤務時間、常勤換算後の人数が自動計算で入力されます。
9.入力した結果、以下の要件を満たせているかを確認します。
基準となる児童指導員又は保育士の常勤が1名以上いて、営業時間に対して児童指導員又は保育士を毎日2名配置している(記載例の〇部分)→基準の配置OK
基準の配置に加え、児童指導員等が常勤換算で1名配置している(記載例の△が週40時間以上)→児童指導員等加配加算(常勤換算・5年未満又は5年以上)取得可
さらに、理学療法士等を常勤で1名配置している(記載例の□が週40時間以上) → 専門的支援体制加算取得可
福祉専門職員配置加算の対象者となる資格者の割合、常勤換算の割合に応じて福祉専門配置加算取得可
※勤務形態一覧表とは別に、客観的な記録として、タイムカード又出勤簿も作成し、出退勤時刻が分かる記録を残すようにします。
(3)こんなメリットも…
勤務形態一覧表を作成すると、人員配置以外にも、例えば以下のような間違いに気づくことができます。
・常勤職員としてカウントしていたが、実際は非常勤職員であった。
・加算要件の職員の退社等に気づいた。
例えば福祉専門職配置加算をとっていた場合に、常勤、非常勤の相違があったり、資格対象者が退社していた等で、福祉専門職配置加算の要件を満たせていなかったのに、引き続き加算を取得していたということがよくあります。その場合には福祉専門職配置加算だけでなく、処遇改善加算もⅠからⅡに区分変更が必要だったのに、していなかった場合も考えられます。そのような場合には、遡って過誤申請、返戻が必要になる場合もあります。
上記のように、勤務形態一覧表を毎月作成することで、人員配置基準の確認だけでなく、取得している加算に問題がないか、また取得していない加算で取得できる加算があることに気付いた等、沢山のメリットがありますので、ぜひ作成をするようにしましょう。
以上、参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も一日皆様にとって素晴らしい日となりますように。